語彙と理解度の目安

「何個単語を知っていれば、外国語ができるのか」

ときかれて

「それはね・・・」

と答えたら、

「おまえはその程度で外国語ができると思っているのか」

と自分の中の「世間」がどなり声をあげるけど、

一応の目安はあったほうがいいよな、と思って書くね。

 

「外国語上達法」の千野栄一先生は、

自然言語 では ごく 少数 の 絶えず 繰り返さ れる 語 を 中心 に、 三千 語 で ほぼ 九 〇 パーセント 近く が 理解 できる よう に なっ て いる」

とおっしゃっているので、だいたい3000語あればいいらしい。

 

それから、秋山燿平さんの

「純ジャパの僕が10ヵ国語を話せた 世界一シンプルな外国語勉強法」

によると、最低限会話に必要な単語、表現による会話を「犬かき」と称して

それを「200単語 30表現」として著書に載せているので、

「1ヶ月後に海外赴任が決まってしまった・・・」

という人は参考にされたらいいかもしれない。

 

ちなみに、英検は

2級 5000語

準一級 9000語

一級 1万5000語

が高めの目安らしいので、一応の参考まで。

 

ところで、ぼくはTOEICを受けたことがないんだけど、

英検1級をもってるからってTOEIC900点はすぐにはとれないだろうな、

と思っている。

 

というのは、必要な単語の範囲が違うだろうな、と思うから。

 

たとえば、ぼくは日本語ネイティブだけど、

法律文書とか読めないんだよ。

いや、文法的にはわかるんだけど、なにいってるか理解するのが、すごく難しい。

 

それから、「若者言葉」はどんどん更新されていくし、

テレビゲームもほとんどやらない(肩と目のコリがひどいことになるので)から、

その分野の語彙も乏しい。

 

で、おそらく、3000語、5000語、1万語と語彙数が増えるにつれて、

持ってる語彙のカバーするジャンルが、だんだん違ってくるんだと思うんだよな。

 

英検の勉強したら英検用、TOEICの勉強したらTOEIC用、

海外ドラマで勉強したら海外ドラマの口語的な表現が多く蓄積されて、

それが言葉選びの個性になるんじゃないかな、と思うんだ。

 

ほんと、大人になるにつれて、語彙って偏るよね。

語彙だけじゃないけども。