こっそり 外国語学習

外国語学習者の日記、雑記。

リスニングのからくり

「文字になってればある程度わかるのに、英語がききとれない!」

とは昔からよくきいたし、自分でもそう思ってたし、

そういう現象は確実にあるんだよな。

 

それで、そう思ってたときは、

「自分は聞き取り能力が低いんだな」

と思ってたんだけど、

いま思うとちょっと違う。

 

ぼくは教育者とかじゃなくて、ただの外国語学習が趣味の人、なので、

自分のケースしかわからないんだけど、

そういうときって、そもそもの「外国語処理速度」が遅かったんだよな。

 

だから、よく「ゆっくり話してくれますか」って聞くじゃない。

で、ゆっくり話してもらうと、結構聞き取れるんだよ。

てことは、ゆっくりしかわからない、ということ。

で、読むときもゆっくりなんだよな。日本語みたいにはスラスラ読めてなかったの。

 

だいたい、読むスピードと聞き取れる外国語のスピードは同じくらいな気がする。

すっごく感覚的な話だけど。

 

ちなみに、速く読めるようになる方法は、

突き詰めれば「いっぱい読む」しかないと思ってるんだけど、

そのときに起こるメカニズムとしては、

cake  dog  school  

くらいすらっと読める単語が増えていくと、速くなる。

 

よく知ってるつもりでも、

respect  often  subject

とかのほうが遅いでしょ。

 

もちろん、新しい単語を覚えるのも必要なんだけど、

純粋に速さだけを追い求めるとね、

多分、いま知ってる単語の処理速度が速くなると、

読む速度が速くなって

それすなわち外国語の理解の速度が速くなって

リスニングも向上する

ってことじゃないかなあ、というのが、僕の見解です。

 

あとよく言われるのは、自分の発音が良くなると聞き取りやすくなる、

というやつで、これもそうだろうな、と思う反面、

僕自身さほど発音が良くないのでなんとも言えないところはある。

 

とはいえ、「伝わる」程度の発音にするために心がけているのは、

まあ、英語に限ってだけど、

「アクセントの位置を間違えない」

こと。

 

英語はなんならアクセント命、といってもいいのではと思うので、

これがわからないと、リスニングはなかなか難しいやもしれない。

 

ということで、単語の意味がわからないときはなんとかして文脈から推測しようと

頑張る僕だけども、

アクセントの位置がわからなくて困ったときは、必ず辞書を引くようにしている。

 

あと、自分が発音するときは、あえてアクセントを強く、強く言う。

これは、多分本番になると、アクセントは弱くなっちゃうから。

 

以上。

誰にもいわずに外国語をやるメリット

ぼくのハンドルネームは「こっそり」なんだけど、

これは「さてどんな名前にしようかな」と思ったときに、

「誰にも言わずに、職場にも秘密で、外国語を続けている」

という自分の状態を表す表現としてぴったり来たからなの。

 

ツイッターをみてると、

「なんで外国語なんかやってるの?」

とか

「いまさら勉強してなにになるの?」

とかいわれて元気がなくなっちゃう、という人のつぶやきを目にするので、

「みんな、まわりに言ってるんだ~」

とむしろ驚いた。

 

だって、言われるに決まってるもん。

日本人の「英語コンプレックス」って、すごいよ。

たいしたことない記事でも、「海外の文献で・・・」っていうだけで、

なんだかインテリぶれるんだから。

 

それが、突然そこから抜け出そうとしてるやつが現れるんだよ。

脅威なの。ついつい突っつきたくなるんだよ。

絶対邪魔くさいし、なんの役にも立たないの。

 

このあいだ「外国語は、完全個人で楽しめるコスパの良い趣味」とつぶやいたら、

自分としては多めのリプで同意をいただけたので、

ある程度の資格をとるまでは秘密主義でいく、というのも

継続の秘訣のひとつかな、と思ったりした。

 

だって、会社は社員に10分時間があったら、外国語を勉強するより、

仕事してほしいと思うんだよ。

妻は夫に10分時間があったら、家事をやってほしいとか思うんじゃないかな。

それでも、外国語が使えたら、その能力は役に立ててほしい、とも思うわけ。

それって、「なんて身勝手な」と思うかもしれないけど、

それぞれの立場にしてみれば当然のことなんだよな、と思うんだ。

 

だから、秘密にするために僕は全部の教材をスマホにした。

スマホアプリの「マジタン」とmikanで単語を覚えて

Kindleで洋書をダウンロードして多読して、

英検の過去問だけは紙だったけどなるべくだれにも見つからないように

一人になれるときだけ勉強した。

 

で、1級とっちゃったら、どんなにギリギリでもまわりは「よかったね」って

言ってくれる。

「何点だったの?」

とか

「面接で何聞かれた?」

とか聞いてくるのは、同好の士だけだから、

しれっとしてればいい。

そしたら「あの人は外国語のひと」ってなるから、

ちょっと周りの認識もゆるまるかも。

 

そもそも、「外国語の人」ってなるとそれはそれで仕事が増える可能性が高いので、

そうなってからもなるべく秘密にしているんだけど・・・。

語学力ってなにさ

実務翻訳家の水野麻子さんの著書

「語学力ゼロで8カ国語翻訳できるナゾ」

は、たくさんの気づきを与えてくれる名著だと思っているので、

これまで何回も読み返してきたんだけど、

「ある人にとっての語学力が、他者にとっても同じ内容を意味するとは、限らない」

と書かれていて、そこが結構すきなんだ。

 

つまり、自分がほしい「語学力」とはなにか、ということ。

英検に受かりたい人は、英検用の語学力。

仏検に受かりたい人は、仏検用の語学力。

これはもう、言語が違うからわかりやすい。

 

で、おなじく英語でも、TOEICの用の語学力はちがう。

同時通訳したい、とか、翻訳家になりたい、というと、それもまた違った「語学力」

が必要になる。

 

千野栄一先生も「外国語上達法」の中で、

目標を持つことの大切さに触れているけど、

「英検に合格するぞ!」

と思ってTOEIC用のテキストをやりはじめたらそりゃ効率が悪いので、

英検用のテキストを買ってこような、ということなんだと思う。

それが一番効率がいいんだよな。

 

じゃあ目標がないのはだめか、というと、

僕はそうは思わなくて、

たぶんそれは僕が志緒野マリさんの「たった3ヶ月で英語の達人!」という本に

すごく影響を受けているからだと思う。

 

この本は、タイトルに反してガチンコの外国語学習論(どっちかっていうとド根性)

の本なんだけど、

スペイン語、英語の通訳ガイドである著者の語学学校体験記、

留学体験記や、英検攻略エピソード、インド留学記など盛りだくさんで、

ぜひおすすめしたい一冊。

 

で、志緒野さんもガチンコの資格取得派(称してキャリアコース)の人なので、

目標を資格試験にさだめてガリガリ勉強していくんだけど、

それとは違う派閥として「ミーハーコース」っていうのを提唱してて、

それが「とにかく楽しむこと」だけを意識してただただ語学と付き合い続ける人々

のことを指している。

そしてそれでも結果的に語学力は向上する、ということを

「毎日洋書を読むけど資格試験は受けたことがない」友人の存在をもとに

書かれている。

 

ぼくはどっちかっていうとそっちのミーハーコースの人間なので、

そんな僕の外国語の目標っていうのは本当に曖昧なんだけど、

それはそれで楽しいよ、という話。

ちなみにミーハーコースの求める「語学力」は

「いまよりもっと外国語を楽しめるだけの外国語力」

ということになるかな。

もっとスラスラ洋書読みたいとか、

お菓子の袋に書かれたフランス語をさらりと理解したいとかさ。

語彙と理解度の目安

「何個単語を知っていれば、外国語ができるのか」

ときかれて

「それはね・・・」

と答えたら、

「おまえはその程度で外国語ができると思っているのか」

と自分の中の「世間」がどなり声をあげるけど、

一応の目安はあったほうがいいよな、と思って書くね。

 

「外国語上達法」の千野栄一先生は、

自然言語 では ごく 少数 の 絶えず 繰り返さ れる 語 を 中心 に、 三千 語 で ほぼ 九 〇 パーセント 近く が 理解 できる よう に なっ て いる」

とおっしゃっているので、だいたい3000語あればいいらしい。

 

それから、秋山燿平さんの

「純ジャパの僕が10ヵ国語を話せた 世界一シンプルな外国語勉強法」

によると、最低限会話に必要な単語、表現による会話を「犬かき」と称して

それを「200単語 30表現」として著書に載せているので、

「1ヶ月後に海外赴任が決まってしまった・・・」

という人は参考にされたらいいかもしれない。

 

ちなみに、英検は

2級 5000語

準一級 9000語

一級 1万5000語

が高めの目安らしいので、一応の参考まで。

 

ところで、ぼくはTOEICを受けたことがないんだけど、

英検1級をもってるからってTOEIC900点はすぐにはとれないだろうな、

と思っている。

 

というのは、必要な単語の範囲が違うだろうな、と思うから。

 

たとえば、ぼくは日本語ネイティブだけど、

法律文書とか読めないんだよ。

いや、文法的にはわかるんだけど、なにいってるか理解するのが、すごく難しい。

 

それから、「若者言葉」はどんどん更新されていくし、

テレビゲームもほとんどやらない(肩と目のコリがひどいことになるので)から、

その分野の語彙も乏しい。

 

で、おそらく、3000語、5000語、1万語と語彙数が増えるにつれて、

持ってる語彙のカバーするジャンルが、だんだん違ってくるんだと思うんだよな。

 

英検の勉強したら英検用、TOEICの勉強したらTOEIC用、

海外ドラマで勉強したら海外ドラマの口語的な表現が多く蓄積されて、

それが言葉選びの個性になるんじゃないかな、と思うんだ。

 

ほんと、大人になるにつれて、語彙って偏るよね。

語彙だけじゃないけども。

 

単語の覚え方

単語さえ覚えられればなあ・・・って誰でも思うんだよな。

で、100億回繰り返されてきたテーマなんだけど、

結局は「覚えて、忘れてを何回も繰り返す」になるんだよ。

 

それでね、もうこれは変えられない事実なの。

もう、そういうものとして認めるとこから、単語地獄との付き合いがはじまると。

とにかく、「単語は忘れるもの」

「何回も覚え直さないと定着しないもの」

というところから始めると、やっと対抗手段がみえてくる。

 

だから、「1回みたら忘れない方法」を探すならこの記事は本当に時間の無駄になるので、回れ右をおすすめする。

それから、僕は「自作単語帳」「Anki」は挫折したというか、

自分で作る手間がどうしてもかけられなくて、性格的に向かなかったので、

「自分で作ると印象に残る」派の人が一定数いることはわかってるんだけど、

それはそういう人たちの記事にお任せしようと思う。

 

でね、僕流の単語の効率の良い覚え方。

これすなわち、単語を見るまでの時間と手間をいかに省くか、にかかっている、と僕は思っているの。

 

たとえば、単語帳をみるぞ、というときに、

1冊の単語帳をカバンに入れて、

職場でみて、家に帰ってきてリビングでみて、自室でみて、風呂でみて、

ということができるなら、単語帳は1冊でいいんだけど。

いま、コロナ禍でしょ。

汚れ気になるじゃない。

で、家に持ち帰った単語帳のカバーをアルコールで拭いたりする。

それから、リビングでみた単語帳、自室でみたいな、と思ったときに、

「あ、リビングにおいてた!」

って言って、とりに行く。

この時間で単語、何個かみられる。

これをなくそう、ということが大事だと思うの。

 

昔、すごーくテレビゲームが上手なひとが、

「分厚い攻略本を、学校用、自室用、トイレ用、風呂用と使いわけてる」

って言ってたけど、

そういう工夫があると、つもりつもって差が出るのかな、と思ったりする。

 

だから、書籍はアナログ派の人で、1000円くらいの単語帳なら

数冊買えるよっていう人は、そうしてもいいかな、と思う。

 

ただ、ぼくはこれをしたことがなくて(笑)

ぼくはどうやったか、やってるかっていうと、

英単語アプリの mikan と マジタン を使って、

全部スマホでやった。どこにでもスマホは持っていくから。

(あとスマホは帰ってきたらアルコールで拭く)

 

多読の書籍も全部 Amazon Kindle で買って、

英語なら word wiseっていう、洋書にちょっぴり和訳を載せてくれるお助け機能と、

気になる単語を選択するとポップアップで辞書がでてくる機能が

無料で使えるので、それで多読した。

ちなみに仏語もKindelで辞書を購入すると、

ポップアップ辞書機能として使えたよ。

 

あとは何度も「覚えて 忘れて」を繰り返すのみ。

これはもう、前提なので・・・。

 

昔から英語が好きでしたか

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ツイッターで外国語の達人たちをフォローしていると、「もともと英語は大の不得意」という人たちが結構いて、「不得意を克服するなんてすごい」という気持ちを抱かずにはいられません。僕は化学が大の不得意で、どうしても化学式の右と左の元素の数をあわせられないので、そこから全部が苦手になりました。いまだに克服していません。

 

昔から英語が好きでしたか、といわれると、好きでした。なにが好きって、辞書をひいたら全部答えが書いてあるところが好きでした。あと、数学みたいに紙にかかなくても、ただ何回も読んでるだけでいいところが好きでした。とにかく暗記。暗記するには何回も読むこと。この単純さが好きでした。

 

ぼくの外国語学習のポリシーのひとつに、ハンドルネームにもなっている「こっそり」というのがあるんですけど、つまり「勉強してますよ!」と誰にも気づかれずにやる、ということができるのは、ひとえに外国語学習のこの特性によるものです。つまり、「スマホで外国語を何度も読み続ける」ことだけをやっていれば、まわりからは「いつもスマホやってるな」というくらいの印象しか抱かれないということです。

 

僕が化学とか数学(増えた)に苦手意識があって、近くにそれがすごく得意な人がいて、いつもその勉強をしていたら、僕のコンプレックスがバキバキに刺激されちゃうわけですよ。下手したら嫌いになっちゃうかもしれない、彼のこと。心がせまいので。

 

逆に、外国語にも同じ気持ちを持つひとがいることは知っているので、できればそれで嫌われたくない、足を引っ張られたくない。どうせ趣味でやってるだけなんだから、自慢したいという気持ちもない。ひっそりと楽しみたい。気が小さいので。

 

そんなわけで、こっそり、ひっそりと外国語をやっています。妻にもあんまり言いません。完全なる自己満足。でもそれがいい。そしてそれをインターネットで匿名で公開して小さい自己顕示欲を満たしています。読んでくれてありがとう。ほんとに。

外国語にかけるお金のはなし

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ブログというものをはじめて書きます。

はじめの記事が堂々お金のことですよ。性格が出ますね。

 

僕が小さいときは、音楽を聴くにもビデオ屋さん(死語)からCDを借りてきて、カセットテープとかMDなんかにダビングして、と、それなりに手間と時間とお金がかかったものですけど、最近は動画サイトで無料で見られて、本当にいい時代になったな、と思います。

 

海外のアーティストのMVが無料で公開されていたら、歌詞を検索して、何度も読んだり聴いたりしていたら、それで立派な外国語教材の出来上がりです。100曲暗記したら、児童向けの小説なんかも辞書なしで結構なんとなく読めるかもしれません。

 

最低限の文法に触れるにも、東京外国語大学のホームページにとべば、無料で公開されている学習サイトがあるらしく、これもツイッターの外国語学習アカウントの中では有名な話です。

 

外国語の勉強をするのに、最低限必要なものを挙げろと言われたら、「外国語を使ったなにか」と「外国語を解読するためのなにか」で、それが好みによって映画だったり洋楽だったり本だったり新聞だったり、ということになります。だからそれらをインターネットで無料で手に入れられれば、あとはそれを何度も繰り返して頭に叩き込んでやるだけということです。

 

だから、「外国語やるぞ」とおもったら、はじめにやることとしてオススメなのはそういう無料コンテンツをあさることかな、と思います。それで、「自分は結構本気みたいだ」とおもったら、はじめて外国語学校とか、通信講座とか、有料の教材の購入を考えるのが順当じゃないかな、と思うんです。

 

そうすれば、「やっぱりなんか違う気がする」と思ったときも潔くやめられるし、次にまた「やっぱりもう一回やってみようかな」ってときにも気軽に始められるんじゃないかな、と。「外国語やってみても続かなかった・・・」という自己嫌悪は、もう一回始めることで回避できるし、少なくとも「お金をドブに捨てた・・・」とは思わなくていいわけですから。

 

かくいう僕は、外国語学校とかにはあんまり、というか全然詳しくないんですけど、僕が尊敬する外国語の達人たちは結構外国語学校で学んでいたり、教えていたり、その両方だったりして、しっかりやる気をもって通えば効果があるらしい、というイメージを持っています。

 

ちなみに、僕の外国語学習法はどんなのかというと、ひとことでいうと「一回、日本語訳を読んだことのある小説を、何回も外国語で読む」というものです。お手元にスマートフォンがあったら、アマゾン・キンドルの無料アプリをダウンロードして、「ハリーポッターと賢者の石」の英語バージョンと日本語バージョンのサンプルをダウンロードして繰り返し読んでみたらおんなじことができます。「ハウルの動く城」でもできます。荻原規子の「空色勾玉」でもできます。みんなの大好きな星新一の英訳もあります。

 

最後はずいぶん趣味に寄ってしまったけど、ブログってこんなかんじでいいのかしら・・・。