日常に潜む外国語

妻の実家での1週間、スマホを使った外国語学習法を駆使していた僕だが、

そのほかにも心がけていたことがあった。

 

それが「日常に潜む外国語」の捜索、発見である。

 

スマホは便利だ、スマホは素晴らしい。

おかげで独身の頃は2時間本屋に入り浸っていた僕が、

電子書籍に鞍替えすることで全く不足感を感じないし、

振込も通帳の内容確認も全部スマホでちょちょいのちょい。

あいた時間で家族との時間も楽しめる、スマホバンザイ。

 

とはいえ、妻の実家である。

妻は僕と同世代なので、僕と同様にデジタルの利便性に侵された思考をしているが、

義父母はそうはいかない。

「一人娘の夫が暇さえあればスマホばかりみている」

というのはどうにも具合が悪い。

ちょっぴりためらっちゃう。

 

だから、スマホがなくても外国語を楽しめる方法を紹介する。

というのも簡単で、あたりをぐるりと見渡せば、

あら不思議、ひとつふたつの外国語は簡単に見つかるのだ。

 

いま目の前にあるSONYの電化製品のコードには

" MADE IN MALAYSIA "の文字とともに

中文やぼくの知らない外国語の文字が踊っている。

そこで、読めば「マレーシア」とわかっても、

空じゃ書けないな、ということで、" MALAYSIA "の綴りを覚えることにする。

 

義両親と義姉と姪とともに宿泊したホテルには、

「宿泊約款」

という、となりにお硬い英文が書かれた絶好のおもちゃがあったし、

ホテルによっては聖書がおいてあったり、

温泉の「入浴案内」は4ヶ国語くらいで書かれていたりする。

 

そういうのをひたすらながめた。

 

あとは、何気なく使っているタオルにデザインとして書かれた外国語とか。

道行く人のTシャツの文字とか。

日本は普通に住むなら外国語なんか全無視で問題ないのに、

相当外国語が氾濫している国なのだ。

 

そういう日常の外国語は、とくに旅行先にかぎらず、

普通の毎日でもすぐに見つけられる。

カレンダーの曜日が英語だったり、

お菓子の箱にフランス語が書いてあったり、

それがあまりにも簡単な文、単語だったら、

そこから「独り言外国語」が始まる。

 

ぼくの最近のお気に入りは、おしゃれなデパートに貼ってある掲示物のフランス語。

それから、子供の輸入雑貨をネットで購入したときの数カ国語で書かれた説明書。

前者は会計の列に並んでいるときに読むから時間制限があってハラハラするし、

後者は逆に図と一緒にじっくり読めて楽しい。

 

「自分って外国語好きなんだな」

と思える瞬間でもあり、結構うれしい。